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商標審査基準(改訂第12版)の公表③(2016年3月25日)

<新着ニュース> by 永露祥生

今回は、商標審査基準〔改訂第12版〕の改訂のポイント(3)とされている、
キャッチフレーズ等の「標語標章についての取扱い(商標法第3条1項6号)」について見てみたいと思います。
※商標審査基準〔改訂第12版〕:https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/kijun-kaitei/document/11th_kaitei_h28/12han.pdf

改訂前の第11版では、「標語は、原則として本号に該当する」としか規定されておらず、
いわゆるキャッチフレーズやスローガンの商標については、
登録が認められるボーダーラインがきわめて不明確という状況でした。

そのため、我々代理人側としても、商標調査の際の識別力の有無の判断や、
意見書において識別力を有する旨を主張する根拠を示す場面などで、
やり辛い面があったというのも正直なところです。

今回の改訂で、これら標語標章についての取扱いが明確になったことから、
審査官にとっても、出願人にとっても、より判断がやりやすくなることが期待されます。

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2.指定商品若しくは指定役務の宣伝広告、又は
指定商品若しくは指定役務との直接的な関連性は弱いものの
企業理念・経営方針等を表示する標章のみからなる商標について

(1)出願商標が、その商品若しくは役務の宣伝広告又は
企業理念・経営方針等を普通に用いられる方法で表示したもの
としてのみ認識させる場合
には、本号に該当すると判断する。

出願商標が、その商品若しくは役務の宣伝広告又は
企業理念・経営方針等としてのみならず、
造語等としても認識できる場合
には、本号に該当しないと判断する。

(2)出願商標が、その商品又は役務の宣伝広告としてのみ認識されるか否かは、
全体から生じる観念と指定商品又は指定役務との関連性、
指定商品又は指定役務の取引の実情、商標の構成及び態様等を総合的に勘案して判断する。

(ア)商品又は役務の宣伝広告を表示したものとしてのみ認識させる事情
(例)
 ① 指定商品又は指定役務の説明を表すこと
 ② 指定商品又は指定役務の特性や優位性を表すこと
 ③ 指定商品又は指定役務の品質、特徴を簡潔に表すこと
 ④ 商品又は役務の宣伝広告に一般的に使用される語句からなること
  (ただし、指定商品又は指定役務の宣伝広告に実際に使用されている
   例があることは要しない


(イ)商品又は役務の宣伝広告以外を認識させる事情
(例)
 ① 指定商品又は指定役務との関係で直接的、具体的な意味合いが認められないこと
 ② 出願人が出願商標を一定期間自他商品・役務識別標識として
  使用しているのに対し、第三者が出願商標と同一又は類似の語句を
  宣伝広告として使用していないこと

(3)出願商標が、企業理念・経営方針等としてのみ認識されるか否かは、
全体から生ずる観念、取引の実情、全体の構成及び態様等を総合的に勘案して判断する。

(ア)企業理念・経営方針等としてのみ認識させる事情
(例)
 ① 企業の特性や優位性を記述すること
 ② 企業理念・経営方針等を表す際に一般的に使用される語句で記述していること

(イ) 企業理念・経営方針等以外を認識させる事情
(例)
 ① 出願人が出願商標を一定期間自他商品・役務識別標識として
  使用しているのに対し、第三者が出願商標と同一又は類似の語句を
  企業理念・経営方針等を表すものとして使用していないこと
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改訂第12版では、キャッチフレーズ等を、

①商品又は役務の宣伝広告を表示したもの
②企業理念・経営方針等を表示したもの

に分類した上で、それぞれの本号該当性の判断基準が述べられていますが、
いずれの場合にも、出願人自身の使用状況と、第三者による一般的な使用状況が
考慮される点が、キーポイントとなりそうですね。

ちなみに、②の場合、指定商品や指定役務との関連性については
考慮されないことが、上記規定からは見受けられます。