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士業の先生のための商標登録

士業の先生のイメージ画像

弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士等のいわゆる「士業」の先生たちの業務も、サービス業です。

文字やマークなど、商品・サービスの識別標識は、「商標」になります。
よって、士業の先生が業務で使う事務所名やサービス名なども、商標になり得ます。

士業の先生が安心・安全に事業を行うためには、商標の保護が欠かせません。
そして、商標を適切に保護するために役立つのが、「商標登録」です。

そこで本ページでは、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士等の士業の先生の商標登録について、重要性やその理由などをご説明いたします。



1.商標登録が大切な理由

商標登録は、事業で商標を使うための義務というわけではありません。
ですが、商標登録をすれば、事業を有利にできるメリットがあります。


商標登録をするメリット

まず、商標登録によって、「商標権」という強力な権利を取得できます。

商標権があれば、権利の範囲内で、その商標の使用を独占することができます。
また、他人が無断で使っている場合には、差止めや損害賠償を求めることも可能です。

士業の業界の場合、ライバルとなる同業者等が、同じ商標や似たような商標を業務で使うことを防止できるという点が、主なメリットの一つと言えるでしょう。

その他にも、商標登録をすることで、その商標に「®」を付けることができます。
®は法律に定められたものではありませんが、この表示があることで、顧客や取引先の社会的な信用や安心感をアップすることが期待できるでしょう。

このように、商標登録にはさまざまなメリットがあるのです。
ご参考「商標登録をしないとどうなるのか


他人の商標権の存在には要注意!

ところで、商標権には上述のような強い効力があるということは、士業の先生が自己の商標を使う場合には、他人の商標権の存在に注意する必要があることを意味します。
知らない間に、同業や他士業の先生の商標権を侵害してしまう可能性もあるためです。

開業をすると、事務所名や独自のサービス名を自由に付けたくなりますが、これらの名称について他人の商標権が存在していないか、すなわち、他人が先に商標登録をしていないかを、くれぐれも注意しなければなりません。

特に、弁護士、司法書士、弁理士、行政書士の法律系士業の業務は、商標登録において類似サービスに属するとされており、原則として、商標権の効力が互いに及びます。
ですから、自己の業務で使っている商標が、いつのまにか同業や他士業の先生の商標権を侵害している可能性もゼロではないのです。

この点は、弁理士による「商標調査」を実施すれば、問題の有無を確認することができます。ただ、長期的に見て、より確実なのは商標登録を受けることです。

制度上、他人の商標権の範囲内に含まれる商標については、原則として商標登録が認められないのが建前です。つまり、商標登録をしておけば、実質的に、その商標の使用行為が他人の商標権を侵害することはなく、安心・安全に使える保証となるのです。

このような点が、商標登録のもっとも大きなメリットとも言えるかもしれません。



2.士業における商標登録の対象

それでは、士業の業務においては、どのようなものが商標となり、商標登録の対象となり得るのでしょうか。主なものとしては、以下が考えられるでしょう。


(1)事務所名、業務法人名

もっとも重要と言えるのが、自己の事務所名業務法人名でしょう。

ただし、経営者である先生の名字と一般的な事務所の業態名を結合させたような名称で、かつ、先生の名字がありふれたものである場合、原則として商標登録を受けることはできないと考えられます。

このような名称は、商標としての機能を発揮しにくいと言えますし、そもそも特定の人に使用を独占させるのは妥当ではないからです。たとえば、「田中法律事務所」、「山田司法書士事務所」、「佐藤行政書士法人」などがこれに該当するでしょう。

このようなシンプルな事務所名であれば、他人が商標登録をしている可能性は考えにくく、基本的に自由に使って問題はないと考えられます。他人との商標トラブル生じることはまずないでしょう。

一方、こういった名称以外の事務所名や業務法人名であれば、記述的な名称を除き、商標登録の対象となり得ます。特に、たとえば、当事務所名である「紫苑商標特許事務所」といったような造語の名称については、商標登録の必要性がより高まりますので、ぜひご検討をされることをお勧めいたします。

ちなみに、上述の商標登録が認められない名称の例は、事務所名等を「文字のみで普通に表している」場合の話となります。このような名称であっても、後述のようにシンボルマークを付加して1つの商標としたり、文字自体を大きくデザイン化したりした場合には、商標登録ができる余地があります。ただし、このような方法で登録した場合、名称自体に商標権が発生しているとは言えないと一般的には考えられます。登録目的にもよりますが、登録ができたとしても、場合によっては、「意味のない商標登録」ともなり得ることには注意が必要でしょう。

なお、2019年7月29日現在、特許庁のデータベース(J-PlatPat)上では、「○○法律事務所」という登録は156件、「○○特許事務所」は198件が確認できました。


(2)ロゴマーク

独立開業すると、事務所名や業務法人名に加えて、ロゴマーク(シンボルマーク)を採用することが多いかと思います。このようなロゴマークも商標になり得ます。

よって、ロゴマークも、きわめて簡単な構成のものを除き、商標登録が可能です。

ロゴマークを常に事務所名や業務法人名と一緒に表示するのであれば、これらを組み合わせたものを1つの商標として登録することもできます。

なお、商標としての機能を発揮するかどうかは、商標全体の構成から判断されますので、上述の「田中法律事務所」のような事務所名であっても、ロゴマークを組み合わせて1つの商標とすれば登録を受けることが可能です。ただし、この場合には「田中法律事務所」の部分に商標権が生じるわけではなく、原則として第三者の使用を禁止することはできないと考えられます。


(3)独自のサービス名、インターネットサイト名

近年、各士業ともに料金や広告の規制が緩やかになっている傾向があるようです。
そのためか、最近ではインターネットを利用した営業活動や広告宣伝活動が活発です。

その中で、独自のサービス名を用いたり、専門サイトを作成して独自のサイト名を付けるといった工夫が、ここ数年で多く見られるようになりました。このような独自のサービス名やサイト名は、まさに他者のサービスと差別化するための識別標識になると言えますので、商標登録の対象となり得ます。

現在ではある意味、これらの名称が業界内でもっとも注意が必要かもしれません。

もちろん、このような名称も、識別力がないと判断されれば商標登録を受けることはできず、誰でも自由に使うことができます。しかし、実際の登録状況を見てみますと、一見すると識別力がないと思われる微妙な登録もあり、「使っても問題ないだろう」と安易に判断するのは危険とも言えます。実際に使用を開始する前には、他者の商標権について必ず調査されることを強くお勧めいたします。


(4)セルフブランディングのための名称

士業の世界も、近年は特に競争が激化していると言えるでしょう。
そのため、同業のライバルとの差別化は、マーケティングにおいても重要です。

こういった点もあってか、近年は、セルフブランディングに力を入れる士業の先生を見かけるようになりました。一例としては、たとえば、自らを「〇〇〇弁護士」、「〇〇〇税理士」などのように称して、同業者との差別化を図っている先生が散見されます。特に、SNSなどのネット上の活動に力を入れている方に多い印象があります。

このようなセルフブランディングのための名称も、商標登録の対象となり得ます。

登録のメリットとしては、「®」を付けられる点が特に大きいと言えるかもしれません。これによって、より名称に箔が付く、依頼人からの信頼が高まる等といった効果が期待できるからです。同業者による使用の牽制にも役立つでしょう。

なお、たとえば「〇〇〇弁護士」や「〇〇〇税理士」のような名称でも、識別力がないと判断されれば商標登録はできませんので、注意が必要です。また、このような名称をこれから使おうとお考えの場合は、実際に使用を開始する前に、他者の商標権について必ず調査されることを強くお勧めいたします


(5)その他

以上はあくまで一例であり、これら以外でも、商品やサービスの識別標識となるものであれば、商標登録の対象となり得ます。

士業として業務を継続していく上で、実際に使っているネーミングやマークなどが、商標登録によって保護できないかという点を常に気にかけることは大切です。



3.弁理士への依頼をオススメする理由

商標登録をお考えの場合は、弁理士へのご依頼をお勧めいたします。
その理由として、主に以下の点が挙げられます。


商標登録は単なる申請ではない

商標登録の出願をするためには、「願書」を特許庁に提出します。
そして、所定の審査にパスした場合にかぎり、商標登録が認められます。
出願手続をすれば必ず登録されるわけではない点に、注意が必要です。

願書には、登録を受けたい商標と、商標を使用する商品やサービス等を記載します。
ここで記載したものが、商標権の権利範囲となりますので、慎重な検討が必要です。

実は、商標登録の出願は、必ずしも弁理士に依頼する必要はありません。
士業の先生方が、ご自身で出願することも可能です。
しかし、上述のとおり、商標権の権利範囲は、願書の記載に基づいて決まります。
よって、書き方次第で、「強い商標権」にも「弱い商標権」にもなってしまうのです。

実は、自分で出願をして「意味のない商標登録」をしているケースもよくあります。
その際、本人はこの事実に気付いていないことがほとんどです。

適切な願書の記載のためには、ノウハウや戦略的視点が必要です。
商標登録は、誰でもかんたんにできるような「単なる申請」ではないのです。
こういった点は、士業の先生には痛いほどご理解いただけるのではないでしょうか。

ですから、専門家である弁理士、できれば商標専門の弁理士への依頼がお勧めです。


商標登録は「早い者勝ち」のルール

また、商標登録は「早い者勝ち」の制度であることに注意が必要です。
登録は、商標を使い始めた順ではなく、特許庁に出願した順に認められるルールです。
よって、他人が先にあなたと同じ商標や似ている商標を商標登録してしまうと、あなたは登録を受けることができなくなってしまいます。

ですから、商標登録は、1日でも早く出願を完了することが大切です。

自分で出願をすると、願書の作成や手続に相当の時間を要することになります。
このような観点からも、弁理士に依頼をすれば、スムーズに出願から登録完了までを進められるメリットがあります。

なお、特許庁の審査結果が出るまでには通常、約7~9か月がかかっています。
意外と時間がかかりますので、この点からも「1日でも早い」出願が大切なのです。



4.おわりに

このように、士業の先生たちにとっても、商標登録は大切です。

「そうは言っても、企業と違って、士業同士でもめることなんてないでしょ?」

たしかに、そう思いたくなる気持ちもわかります。
実際、商標でもめる可能性は、一般企業に比べればかなり低いとは思います。

ですが、数年前には、実際に司法書士法人同士で商標権侵害が裁判で争われた事件もありましたので、決して油断はできません。

商標権の怖いところは、日本全国に権利の効力が及ぶ点です
田舎で開業して、小さく仕事をしていたとしても、商標権侵害を問われ得ます。
そして、「知らなかった」という言い訳は、原則として通用しないのです。

特に、インターネットが発達した現代においては、田舎の小さな事務所であろうと、小規模の事務所であろうと、検索によって簡単に所在や情報が明らかになります。
ですから、「バレないだろう」という考えは、危険としか言いようがありません。

独立開業には多額の資金が必要ですから、商標登録にお金をかける余裕なんてないという気持ちもわかります。ですが、一度登録を受けておけば、少なくとも商標のことでトラブルに巻き込まれることはなく、安心して業務に専念することができるという点でメリットは非常に大きいと思います。愛着や覚悟も、ますます生まれるでしょう。

この機会にぜひ、商標登録をご検討されることをお勧めいたします。

なお、これから開業される先生は、(在職中には難しいかもしれませんが)できれば開業1年前頃には出願を済ませておき、オープン時には登録を受けているといった万全な状態にしておくのが理想です。



当事務所でお手伝いできること

紫苑商標特許事務所では、商標登録のご依頼を承っております
先生方に代わって、弁理士が出願準備から登録完了までの手続をお進めいたします。

当事務所は、商標専門の特許事務所です。
商標専門の代表弁理士が、ご依頼等を丁寧に担当させていただきます。
当事務所の代表弁理士は、15年以上の商標実務経験があります。
Eメールがご利用できる環境があれば、全国対応が可能です。

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当事務所は、同じ士業の先生方の商標登録を応援しています。
ご相談に乗じて提携関係や紹介を迫るなど、姑息な考えはまったくございません。
(逆に、そのような思惑での当事務所へのお問い合わせ等はご遠慮願います。)

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