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失敗事例1:商標登録をしていなかったことによる大失敗(独占編)

 事例の紹介

X社は、地方にある中小企業で、Aという商標を商品に使って製造・販売していた。
その商品は近隣の地域でしか販売されておらず、インターネット通販なども行っていなかったため、
商標登録は受けていなかった

数年後、その商品はマスコミに偶然取り上げられたことで大ヒットした。
商品は全国規模で流通し、様々なインターネット通販サイトでも、商品が販売されるようになった。
その甲斐もあり、商品名でもある商標Aは、多くの人々の目に触れることになった。

全てが順調で、夢のような日々を過ごしていたある日、X社に内容証明が届いた
中身を確認すると、競業するY社からのもので、
「Y社は、商標Aについて商標登録を受けている。X社が商標Aを使用することは、
Y社の商標権を侵害する。直ちに使用を中止せよ」という内容であった。

慌てて弁理士に相談したところ、Y社はX社が商標Aを使用開始するずっと以前より商標登録を受けており、
その要求は正当なものであるとのことだった。

X社は、泣く泣く商標Aの使用継続をあきらめ、その変更を余儀なくされた
すでに製造していた多くの在庫は出荷できず、商品パッケージや商品カタログも修正する必要があり、
大量の出費が生じてしまった。また、結果として、ブランド育成も一からやり直す必要に迫られたのであった・・・。

 教訓(当事務所からのアドバイス)

商標登録に無頓着であった結果、事業規模が拡大した際にトラブルに巻き込まれたという事例です。

正直なところ、事業規模が非常に小さく、人の目に触れず細々とやっている限りでは、
商標トラブルに巻き込まれることは、まずありません。
商標トラブルは、自己の事業規模が大きくなるに比例して顕在化するものです。

ですので、地域密着で商品を製造・販売していたX社が、
最初に商標Aの登録の必要性を感じていなかったのも、一理あるかもしれません。
しかし、通常、事業者は誰もが大きくなることを夢見て日々努力し、汗を流しているものではないでしょうか。

つまり、X社とて事業規模の拡大を目指して日々精進しているのですから、
将来はいずれ問題となると考えられる商標について手当てを怠ることは、
商標の重要性についての認識が甘かったとしか言えません。

商標権の効力は、日本国内全土に及びます。
そして、商標権を侵害した場合、「知らなかった」という言い訳は通用しません。


地域密着で細々とやっていようと、他人の登録商標を無断で事業に使用していれば商標権を侵害します。
ただ、狭い地域で細々とやっていればまず商標権者には発見されないため、トラブルが顕在化しないというだけなのです。
いざ商標権を行使されれば、容赦ありません。

本事例のように、X社が急激に頭角を現してくれば、同業他社はこぞって警戒し、
何らかの対抗手段を講じてくるのは当然のことです。

商標トラブルは、事業がうまく回っているときにこそ起こり得るものです。
そして、商標登録は、大企業だけでなく、中小企業や個人事業主にとっても、将来の保険として必要不可欠です。
この点、絶対に忘れないようにしてください。