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失敗事例2:商標登録をしていなかったことによる大失敗(排他編)

事例の紹介

X社は、地方にある中小企業で、Aという商標を商品に使って製造・販売していた

その商品は近隣の地域でしか販売されておらず、インターネット通販なども行っていなかったため、
商標登録は受けていなかった

数年後、その商品は女子学生やOLの口コミから火が付き大ヒットした。
商品は全国規模で流通し、様々なインターネット通販サイトでも、商品が販売されるようになった。
その甲斐もあり、商品名でもある商標Aは、多くの人々の目に触れることになった。

全てが順調で、夢のような日々を過ごしていたある日、X社に消費者から苦情の電話がかかってきた
その話によると、X社の商品を購入したところ、品質が粗悪で使い物にならないということだった。

X社が商品を回収し中身を確認すると、それはX社の商品ではなく、
パッケージに商標Aが使われた第三者による模倣品(ニセモノ商品)であるということが判明した。

X社は、事態の深刻さを認識し、すぐに第三者の模倣品を市場から締め出すべく動き出した。
しかし、商標Aについて商標登録を受けていなかったことから、商標権に基づく差止めも、
刑事告訴も、すぐにはできない状況であった

相談した弁理士によれば、不正競争防止法の適用も難しいとのことだった。

結局、X社はその後すぐに商標Aについて商標登録出願を行ない、
無事に商標登録を受け、事態を解決することができた。

しかし、解決までにかなりの時間を要したため、その間に消費者からのX社の信用はガタ落ち
商品の売り上げも大きく減ることとなった・・・。


教訓(当事務所からのアドバイス)

失敗事例1と同じく、商標登録に無頓着であった結果、
事業規模が拡大した際にトラブルに巻き込まれたという事例
です。

失敗事例1では、自らが安心・安全に商標を使用するといった「守り」の観点から、
商標登録を行なっていないことが問題となりました。

一方、本事例では、他人が勝手に自分の商標を使っているのを排除するといった「攻め」の観点から、
商標登録を行なっていないことが問題となったと言えます。

本事例のように、X社が急激に頭角を現し、商標Aを付した商品が爆発的に売れてくれば、
これを模倣しようと考える悪者が湧いてくるのは世の常と言えます

商標Aについて登録を受けていないことが悪者に知られれば、X社は格好の標的でしょう。

しかし、これを法的に排除しようにも、根拠となる何らかの権原がなければいけません
その点、商標登録を受けることで発生する商標権は強力です

本事例では、結果として商品を愛してくれる消費者にも損害を与えることになりました。
このような場合、消費者からの信用の低下は免れず、その回復は非常に難しいでしょう。

事業者自身だけでなく、そのような消費者を保護するという観点からも、必ず商標登録を検討されることをお勧めいたします。
商標登録のための費用は、削減対象とすべき類の出費ではなく、優先度の高い「絶対必要経費」なのです。