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失敗事例3:自社商標の外部公表に関する大失敗

 事例の紹介

Y社は、大手大企業で、新しい画期的なサービスを開発した。
Y社は、このサービス名をBと名付け、商標として使用することとした。

現在の利用者からも期待のかかるサービスであり、売り上げも見込めたため、
Y社は一刻も早くこれを世に公表したいと考えた。

そこで、ある日、当該サービス(商標B)について、自社ホームページにプレスリリースを掲載し、
また、マスコミ各社に配布した。商標Bにかかるサービスは、大きく取り上げられ話題となった。

しかし、Y社の商標担当部署との連携がうまく取れておらず、
プレスリリースの公表時点で商標Bについて、商標登録出願を行なっていなかった

その後、2か月ほどして担当者がこれに気付き、慌てて商標登録出願を行なった。
ところが、審査結果は「拒絶査定」
拒絶の引例として挙げられたのは、プレスリリース翌日に第三者が出願を行なった商標Bとまったく同じ商標であった。

その結果、Y社は、サービス提供開始直前で商標Bの変更を余儀なくされ、
そのために多大な出費を負担することになった・・・。

 教訓(当事務所からのアドバイス)

商標登録出願前に商標を外部公表した結果、他人にその商標を先に出願されてしまい、
商標登録が受けられなくなった(=その商標を使用できなくなった)という事例
です。

第三者による出願が、プレスリリース翌日であることを考慮すると、
Y社の商標Bが未だ出願されていないことを知った者による仕業と言えます。

Y社としては、この者から商標出願(商標登録)を譲り受けるということも、
手段としては考えられますが、おそらく相手は悪意のある第三者ですので、
当然に多額の対価を要求されることが予想されますし、それがそもそもの目的でしょう。

Y社は資金力がある大企業ですので、彼らにとっては格好の標的です。
ですので、この選択肢は、容易に取れるものではありません。

一方、「早い者勝ち」が原則の商標登録制度の下では、
いわば商標登録出願が遅れたY社の自業自得という面もあり、
その第三者による出願が悪意に基づくものであるとしても、
これを立証し、取消に持っていくことは簡単ではないでしょう。

いずれにしても、Y社にとっては「詰み」の状態と言えます。

このような深刻な失敗を起こさないよう、プレスリリース等で商標を外部公表する前には、
必ず商標登録出願を(できれば商標登録まで)完了させておくことが鉄則です。